「球場ラヴァーズ」を読みました。
作者は石田敦子さん。
「勇者特急マイトガイン」「勇者警察ジェイデッカー」「魔法騎士レイアース」など、
多くの作品のキャラクターデザインなどで活躍されてきた漫画家の方です。
自分は特に「ジェイデッカー」好きなんですよねぇ。
この人の名前を見てすぐにピンと来たのですが、
それにしても石田さんが、何故カープ…?
そんな感じで戸惑っていた自分でしたが、その次の瞬間にはこの2冊を手にとって、
レジへと向かっておりました(^^;)
この本の帯にあるキャッチコピー、
"広島カープのビジター外野席を舞台に贈る女子3人の応援物語!"
これに魅かれちゃったんですね。
最初はマツダスタジアムのビジターパフォーマンス席でカープを応援する人の話、
そんな感じで考えていたのですが、そうではなくて。
関東在住、東京ドームのビジター応援席が主な舞台で、
もちろんハマスタや神宮、そして西武ドームも登場します。
どちらかといえば東京ドームと神宮の描写が多いです。
話の発端は、主人公の女子高生・松田実央が、
どん底にいた自分を励ましてくれた、にもかかわらずひどいことをしてしまった
名も知らぬ「赤い帽子の人」にもう一度逢うために、
唯一と言っていい手がかりだった東京ドームのビジター応援席チケットを頼りに
その「赤い帽子の人」がいたであろう、カープの応援席にたどりつき、
そこで2人のカープファンの女性に出会い、「赤い帽子の人」を探す目的と同時に
野球の魅力、応援の魅力などに魅かれていく…
そんなようなお話です。
青年誌(ヤングキング)連載の作品でもあり、
本当に若干ではありますが、青年向けな部分もありつつも、
カープを応援せずにはいられない、ビジター応援席に来ずに入られない、
そんなカープファンの想いがしっかりと表現されています。
ストーリーとカープ選手の物語がシンクロしていく話とか、
♪始まりの鐘が鳴る 広島伝説 の廣瀬の応援歌に励まされる話、
黒田博樹に向けるカープファンの深い愛情、
おじいちゃん・おばあちゃんから語られるカープ球団の歴史、
野球の話題をきっかけとした家族の再生、いじめへの反撃。
そして主要キャラが何故、カープの応援席に通うようになったのか?という物語も…
凄く楽しく、読み進むことが出来ました。
最初はいじめの対象となってしまい、思い悩みどん底にいる主人公・実央が
どんどん心が強くたくましくなっていく、そんな描写が嬉しいんですよね。
そしてその成長には、カープの選手のエピソードに触れたり、
ビジター応援席で出会った人たちからもらったものが深く寄与している、という…
自分もカープのビジター応援席には2回、
千葉マリンと神宮と行ったことがあるんですよね。
なんかこう、独特の空間でした。
神宮のベイスターズ戦で味わう外野の雰囲気とは、また違うんですよねぇ。
こういった作品が、リアルタイムで今存在し続いている、ということで、
カープファンを物凄く羨ましく思うのです。
そして、こういう物語というのも、ありなんだよなあ、という…
ベイスターズファンの方でも、そして野球ファンの方にもおすすめできる物語です。
「何故、球場に足を運ばずにはいられないのか」
そんな自分の心の中にあるものに、気付かされる思いがします。
もし機会があれば、是非皆様、読んでみてください!
ちなみに肖像権の関係で、選手の顔や姿は一切出てきません。
それでも全然問題ない!そう思える作品ですよ。
| 固定リンク
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 新ブログ プレオープンのお知らせ。(2014.03.26)
- 「The Boo★Star Project」更新終了のお知らせ。(2014.03.21)
- 勉強になります。「長く続けるサポ講座」(2014.02.28)
- 「みんなのあるあるプロ野球 極」発売中!(2014.02.25)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
球場ラヴァーズの1巻は昨年購入し読みましたよ。
名前も住所も℡も知らなくて
約束もないけど「そこ」に行けば遭える仲間
みたいなニュアンスのセリフに共感が
持てました。
投稿: YB2-38 | 2011年3月28日 (月) 22:02
YB2-38様>
ご存知だったんですね!
自分も偶然書店で見つけなければ今もなお知らなかったんだなあ、と。
偶然の出会いに感謝するばかりです。
スタジアムの雰囲気をまた、新鮮な形で、共感する形で描き出してくれているのが嬉しいです。
これもまた、スタジアムにある真実の光景なんですよね。
投稿: ジロウ | 2011年4月 7日 (木) 07:12